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3人の亡き友②emiyへ

河川敷で大きな炎が上がっている。その燃えさかる炎の中に、友人のemiyがいる。
私は「emiy何してるの、死んでしまうよ、やめて!!」と叫んでいるのに声が出ていない。
必死で叫ぼうとするのに声が出ない。
炎の中でemiyは、一瞬微笑んでそして手を振った。


ぐっしょり汗をかいて飛び起きた。
夢の中では声が出ていなかったのに、実際は叫んでいたようで
夫もビックリして飛び起きた。


その場面を実際に見ていないが、もう何年も前、自宅の庭で灯油をかぶり
emiyは焼身自殺をした。

最後に電話があったのは、いつだったのだろう。
電話をかけて来るには、いつもよりちょっと早い時間だった。
しかし話しの内容に不自然を感じなかった。
声のトーンもいつもと同じで疑う余地はなかった。
否、私が鈍かったのかも知れない。
本当は何か聞いて欲しかったのだと思う。

emiyと最初に出会ったのは、中学の2年生だった。
合併した町に中学が2校あった。
そして同姓同名の女子生徒が、互いの中学校の同学年にいた。
合同体育祭の時、emiyがやってきて「○島○ちゃんてどの子?
うちの○ちゃんが会いたいねん」と言ってきたのだった。

高校へ進学すると、emiyも同じ高校で同じクラスになった。
いつのまにか仲良くなった。

女に産まれたことを嫌がっていた高校時代、当然家庭科は大の苦手。
黒縁の大きな眼鏡をかけ、男っぽい歩き方、話し方や笑い方、声までも男っぽく
男の方が似合ってるとみんなが思っていた。

数学と化学が得意だった。
解けない問題を教えてもらうと、左手でメガネをちょっと上げ、サラサラサラと
大きな字で問題を解いた。
綺麗な大きな目が、悪戯っぽく笑っていた。

そんな彼女が22歳で、普通に結婚し一男一女をもうけた。
これにはみんながびっくりした。

私が実家に帰省しているとき、長女を抱っこしてemiyがやってきた。
いいお母さんぶりを発揮していた。



彼女が何故、焼身自殺という思い切った手段を、選んだのか
未だにわからない。
何がemiyをそんなに追い詰めていたのだろう。
一説には姑との確執があげられた。そして少し精神を病んでいたということを
人づてに聞いた。
だからこそ最後になった電話が、気になって仕方がないのだ。
話した内容は鮮明に覚えているのに、本当に話したかったことを
聞いてやれなかった。
emiyの最期を知ってから、何年も友達甲斐のない自分を責めている。

農家の嫁として、精一杯働き立派に子育てをしたemiy。
他に手段はなかったのだろうか?

気が向けば電話で色々話したね。
子どものこと、農業のこと、友人たちの近況。
最後の電話で話したことを覚えている?
その約束を果たさないで、逝ってしまったemiy。

今でも私は、何で?どうして?と問い続けているんだよ。





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