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おじいちゃんは昔お猿さんだった。

私は3~4歳の時、人間は昔猿だったことを知った。
それは衝撃だった。そして同居している祖父に訊いた。
「おじいちゃんは昔猿だったの?」
すると祖父は「そうや、裸でキャッキャッ言うて木登りしていた」と
言った。トンチのきくおじいちゃんだった。
その話を聞いて私は、何も疑わなかった。

それどころか、何を食べていたん?
どこで寝ていたん?
お父ちゃんやお母ちゃんはいたん?と質問攻めに
したのを覚えている。
何て馬鹿だったのだろう。

今にして思えば当時の祖父は、まだ60歳になっていなかったと思う。
祖父は私が物心つくずっと前から、雑俳(ざっぱい)を楽しんでいた。
母も同じように雑俳を楽しんでいた。
祖父は青山・母は山の子と言う俳号を持っていた。
雅号を持たず本名で通している私より、ずっと上だと思う
思いついた時にメモが出来るように何時も耳に短い鉛筆を挟み
ポケットには紙を入れていた。
自宅で句会があったり、自転車で会場へ出かけていた。

いつだったか大きな優勝?カップを持って帰って来た。
縁側でにこやかに写真を写した。今もその顔を思い出す。

私と長姉が20年余り川柳と関わっているのは、祖父の血が
流れているのだと思っている。
厳しくも優しく、そして働きものだった。
祖母が逝って4か月後、追うように逝ってしまった。
もう40年余りになる。
祖母が逝ったとき、寝ていた祖父に「おばあちゃん死んだよ」と
伝えると「そうか、おばん死んだんか。何時や?」と何度も
聞いたのを思い出す。

兄夫婦との意思の疎通が出来ない今、お墓参りも出来ない
罰当たりな孫たちを、どう思っているだろうか。